『69の会を散会します。』

69の会は、震災が起きた311から3ヶ月の6月9日に生まれました。あれから5年。
311
たくさんの人たちが、天災の怖さを目の当たりにし、想定外の原発事故の怖さを実感しました。
テレビの放送は、どの番組も津波が街をさらっていく悲惨な映像ばかりで、事の重大さを物語っていたし、東京でもスーパーには品物がほとんどなくなり陳列棚がどこもガラガラ。東京でも、福島の人たちを助けたいという気持ちを持ちながら、日本中が今まで経験した事のない『先の見えない不安』という共通意識を持っていたと思います。
そして正義感のある方々が立ち上がり、政治に疎かった私もはじめて、日本の未来や平和について考えるようになりました。
震災から約3ヶ月後。
6月9日。ミュージシャンの斉藤和義さんに、ジャーナリストの岩上安身さんを紹介するかたちで、あるお店に待ち合わせをしました。
折角だからと、何人かをお誘いすると、なぜか沢山の友達がその場に集まってきました。
映画監督の岩井俊二さん、ミュージシャンの小林武史さん、福島へ支援活動を続けているキャンドルジュンくん、ドキュメンタリー監督の鎌仲ひとみさん、まだ政治家になっていなかった山本太郎くん、などなど。他にも多くの人たちが一気にお店に集まったのです。
そして、何かやろう!と結成されたのが『69の会』だったのです。
集まったお店には、偶然ですが、衣装や絵など、忌野清志郎さんの遺品が展示されていました。なんだか、清志郎さんに背中を押されたような空気の中で、一気に皆さんの気持ちが一つになったような気がしました。
6月9日の日にちからとった名前ですが、69、ロック魂という意味もこもっています。
そうして、69の会は毎月討論会のような形で、続いていき、様々な震災の支援活動報告、事故原発からの放射汚染についての情報交換、政治問題などを話し合いました。
最初の数回は、テーマも定めずにひたすら話し合うというバラバラな感じで始まりました。知り合いを通じてでないと、参加ができない会にしていたので、たくさんの著名な方々も集まってきました。
皆これからの日本に関心がありました。
ゲストスピーカーの学者の方々や、ジャーナリスト、政治家、活動家、芸術家、弁護士など様々な方々がボランティアで講師を引き受けてくださいました。
私たちもすべてボランティアでした。
知ることから、はじまる。
知れば、何かできるかもしれない。
そう思って、69の会はその後、一般の方々にも公開しました。
これからの子育てを心配する親御さん。
若い世代の人たちや、いろんな様々な職業の方々と交流しました。
原発反対、原発賛成、TPP反対、賛成、憲法を守りたい。などいろんな話し合いをいたしました。
芸能の世界しか知らなかった私は、平和を守りたいという思いのある方々に出会えて、すごい感動を覚えました。
皆さんが上を向いているというか、瞳がキラキラしているからです。
そんな出会いがあり、5年間いろいろと趣向を変えながら、平和な社会を目指して!と討論してきました。
その間にも秘密保護法、安保法、盗聴を可能にする法律も成立してしまい、世の中はどんどん不安な方向に進んでいます。
届く人には届き、届かない人、無関心な人には届かず、 世の中が危険な方向に変わりつつあることに気づかない人々も多いと思います。
目前の参院選の重要性についても、まだ、気付いてないない方も多いことでしょう。
参院選までの残り期間を今まで届かなかった層に伝えるために全力を尽くします。
前出のような経緯で始まり、この5年間、69の会は、常に危機感を訴えて、私達が、できる限り話す場をもち、もっとよりよい社会を示すためもありましたが、様々な無理を自らに強いてきた事も事実です。発起人はみな働き盛りで、それぞれの仕事上の責任も大きくなっています。
3.11後の頃の様に全力で関われない事情も、それぞれ生じてきている中で、発起人の中で話し合いを重ね、着地点を模索してきました。まだ無理のきく人間が残り、難しくなっている人間が離れて存続する、というパターンも検討されましたが、それでは中身の違う会が69の会として存続することになり、それも違うのではないか、という声が多数を占めました。
結局、発起人と事務局とも討議を重ねた上で、ますます社会的難問が積み重なってゆく予感のする、これからの日本を憂うる情報発信活動は、個々それぞれが「69の会」の名前を語らずに自由に続けてゆくことと決め、6月と7月のあと二回の会をもちまして一旦、「中締め」とさせていただくことに致しました。
バラバラになってしまうこの感じに、とても切なく、寂しい思い、惜しい気持ちもあります。
しかし、会が完全に消滅したり、我々と皆さんとの間の友情や絆が消えてしまうわけではありません。このままの形で「休眠」させ、時には、同窓会を開くこともあると思います。
その時は同じメンバーで、同じスタッフで、昔日のままで、開こうと思います。
その日まで、皆さん、くれぐれもお元気でいてください!
集まって下さってた方々。
岩上安身さんのIWJのUstreamを楽しみにして下さってた方々。すみません。
今まで本当に、本当に、ありがとうございました。
出会えてよかった。また、お会いしましょう!
                   69の会 発起人代表 松田美由紀

【追記】
第51回69の会は準備の都合により日にちを延期して6月18日土曜日に行います。
オーガナイザーは岩上安身さんで『ラストIWJナイト』になります。
タイトルは、『運命の分かれ道・2016年夏参院選スペシャル〜隠された真の争点・改憲による緊急事態条項導入を阻止せよ!』
となります。
詳細は追ってイベントページを作成しご案内致します。
本当に、ありがとうございました!あと2回。まっています!